■この記事で言いたいこと
「良いUXを提供するものをつくる」と「イノベーティブなものをつくる」は全く別物で、「何を作りたいか」によってアプローチ方法がまったく異なるというおはなしです
■それぞれの定義
人によって解釈は異なるとは思いますが、それぞれを下記のように解釈しています。イノベーティブなものをつくること
革新的で、これまでの概念を覆す(≒これまで考えられてこなかった)ものをつくること
(その結果、ビジネスとして「成功」したときこれを「イノベーションが起きた」と呼ぶことにします)
よいUXを与えるものをつくること
人がモノ・コトを通じて受ける一連の経験を考慮してものをつくること
(その結果、ユーザがそれを「良い」と感じたときこれを、「よいUXを与えた」と呼ぶことにします)
※「ものを作る際に何を狙っているか」を論点とし、その「結果どれだけ売れたか・どう幹事てもらったか」はマーケティングなどの外的な要因による影響が強いため、別物として扱います。
(Experience Designは出来ない、出来るのは「Design for Experience」だけだ、という立場です。)
■それぞれのアプローチ方法とその狙い
イノベーティブなものをつくること
個人的には「イノベーティブなもの」は結局は「発想」に帰着するものだと捉えています。なぜなら、繰り返しになりますが、「イノベーティブなものをつくること」は、すなわち「新しいものを生み出す」ことにあるからです。「新しい物」は「発想」無くして生まれません。
イノベーティブなものをつくることは「結局アイデア勝負」なのか?
しかしだからといって「アイデア勝負」と言っているわけではありません。「発想が大事である」ということはつまり、「どこからその発想を得るか」という問いが大事であるということなのです。なぜなら、「発想」には「刺激(インプット)」が必要だからです。同じインプットを得た人は大抵同じようなアウトプットを出すのですから、異なる発想をするためには異なるインプットを得るしか方法はないでしょう。いかに人とインプットを変えるか、が新しいものを発想する上でのポイントです。
(「とりあえず発想する」という方法もあるかもしれませんが、これではありきたりの発想しか出てきません。イノベーティブかどうかが、在り来たりの発想をいかに実行するか、すなわち「実行力」のみに起因するものであるとしたら、世の中はとてもツマラナイですよね。)
そうして最もらしいインプットを収集するための方法として、いわゆるマーケティングや、エスノグラフィーなど、 これまで様々なアプローチが議論されてきました。
そんな中で、自分的に興味のある2つのアプローチ方法を、ピックアップして紹介します。
ユーザ目線でイノベーティブなものをつくる、ということ
ユーザ目線でイノベーティブなものをつくることは、最近の流行りトピックであるように思います。ユーザのニーズや課題をとらえ、それを解決する、といった手法です。結構雑ですが、イノベーティブなものをユーザ目線でつくるには、下記の2パターンあると思っています。
- 「簡単に見つかるようなニーズや問題をインプットとし、とてもクリエイティブな発想を行うこと」
- 「見つけることの難しいニーズや問題をインプットとして、それを解決するための発想すること」
「 なかなか見つけることが出来ないようなニーズや問題をインプットとする」ことに関してはユーザ中心設計の手法などでさんざん議論されていることであり、今後このブログでも気づきをまとめていこうと思うので割愛します。
ただもう一方の「クリエイティブな発想を行う」に関しては、下記に良い事例があるのでまとめさせていただきます。
「クリエイティブな発想」でイノベーティブなものをつくる、ということ
USBの概念等、これまでいくつものイノベーションを起こしてきたZibaの濱口さんは、その「インプットを得るための方法」としてとても興味深いアプローチを行っています。「人が良いと考える軸」をインプットとして集めている点が彼の特徴的なところだと言えます。人が何を良いと考えている軸と逆行することで(もしくはそれらをこれまで無かった形で組み合わせることで)新しいものを生み出すことを意識しています。
良いUXを与えるものをつくること
ああああ(編集中)。